2020
02.02

vol.19『ローマはなぜ滅んだか』と古代ローマ帝国の衰退期に似る「天命を受けた世界の中心」を自称し暴走する現代中国

BOOKS

 

『そして安倍晋三は終わった』は、2月1日に発売になっています。

日本がミニ中国化している原因を、安倍晋三をキーワードに、歴史的、社会的に考察しています。

いまの日本がおかしいと思っている方が、日本のおかしさの根源を知り、未来を切り拓くための思考の一助となれば幸いです。

 

この記事は、同書を書くにあたり、引用・参考にした文献・資料を紹介するコーナーのvol.19です。

vol.18までは以下からごらんください。

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新型コロナウィルスによる感染者数は、日本国内で20人となり、中国以外で1位になった。

日本の20人のほかは、タイで19人、シンガポールで18人、韓国で15人、香港で14人、オーストラリアで12人、台湾で10人と続く。

しかし、中国国家衛生健康委員会が1月31日に開いた記者会見では、新型コロナウィルスによる肺炎は「感染後にできる抗体には長期間持続しないものもある。一度感染し治癒した患者にも再感染のリスクがある」とのことだった。

つまり、「感染しても抗体ができない可能性もある」というのだ。

さらに、インド工科大学の論文によると、この新型ウィルスには「エイズウィルス」の性質が含まれているといい、ウィルスがこのような独自な挿入を短時間で自然に獲得することはほとんどあり得ないことだという。

しかも、武漢でウィルスが発生する2か月前には、アメリカの科学者がビル・ゲイツ財団と共に、「新型コロナウィルスのパンデミックは感染開始から1年後には6500万人を殺す可能性がある」とシミュレーションを発表しており、そうなると、健康だけでなく、世界規模での経済・社会に対して大きな影響をもつようになる。

 

日本政府は1月31日、日本への入国申請前の2週間以内に湖北省に滞在歴のある外国人、または湖北省の発行する中国旅券を持つ外国人について、当面の入国を拒否することを決めたが、武漢市からは封鎖された22日までにすでに500万人が市外に出たと武漢市長が発表しており、いまさら入国拒否を湖北省に限ることにはもはや何の意味もなさない。

日本政府の愚鈍は、結果的に日本人の感染者を増やす。

そしてヨーロッパの一部では、中国人と区別のつかないアジア系の全員が保菌者かのような扱いを受けている。

アジア人全員が保菌者でるとは事実とは異なるが、日本政府がこのまますべての中国人の入国を拒否しなければ、中国人に加え、すべての日本人を入国禁止とする国も出てくるのは時間の問題である。

意図的でなくても日本政府の愚鈍は国として正常に機能していないことを証明したものであり、意図的であるなら、安倍政権とその関係者を一掃するほかに日本が日本でありつづけられる方法はないと思う。

 

日本政府が正常に機能していないのは、2019年10月、消費税を10%に引き上げたことでも明らかだ。

消費税はその仕組みが不公平であるだけでなく、不況下での増税は滞納が増えて税収が減り、自殺者を増やすことにもなる。

それでも安倍政権が増税を断行したのは、新型コロナウィウルスに対する対応をわざと愚鈍にしているのと同じで、日本政府は日本人の財産や健康で文化的な最低限度の生活を収奪したいからである。

 

現代日本の消費税は、古代ローマの「100分の1税」に起源を持つ。

古代ローマは、イタリア半島中部に位置した多部族からなる、都市国家から始まり領土を拡大して地中海世界の全域を支配し巨大な国家「ローマ帝国」を形成した。

その後国家は1200年続き、中でも「パクス・ロマーナ(ローマの平和)」と呼ばれる期間は200年にも及んだが、その「繁栄」と「平和」は、悪徳が栄え貧乏人を軽蔑する価値観により支えられていた。

『ローマはなぜ滅んだか』にはこうある。

 

 古代ローマでは、人は財産によって評価され、信頼される。何かの証人として、女神のごとく非のうちどころがない人を差出したとしても、その証人にかんして、

「まず最初に尋問されることは彼の財産額についてであり、最後に問われるのが彼の人柄についである。“彼は何人の奴隷を養っているか。彼は何ユゲラ(面積の単位)の土地を所有しているか。彼は何枚の、どれくらいの大きさのデザート皿で晩餐をとるか”と。誰でもひとは、その金庫の中に持っている現金の数だ、江それだけ他人から信用されるのだ」。

だから人はなんとしてでも金持ちになりたい。しかし、貧窮に妨げられれば、出世は難しく、従って金持にはなれない。ひどい住居なのに家賃は高く、奴隷の扶養費も高く、粗末な食器で恥ずかしい思いをして食事をしなければならない。貧乏から足を洗うことは難しいのである。

そこで人は無理をして背伸びをしてみせる。

「ローマでは人は自分の資力以上によい服装をしたがる。十分以上のものがほしい時は、時として他人の金庫からとってくる。こうした悪事はローマでは誰でもやることだ。ローマではわれわれすべては、見栄っぱりの貧乏の中で暮らしているのだ」。

ここから悪徳への道程はただの一歩であり、悪徳に長じた者が繁栄し、彼らが貧乏人を見下し、軽蔑する。(p.112-113)

 

少数の巨大富豪から、さらにかけはなれて高いところに屹立するものが、帝国最大の富豪たる皇帝であった。皇帝は、エジプト全土を私有地として支配したほか、帝国全土に散在する農地、鉱山、工場などが皇帝領として

所有したばかりか、財産没収や遺贈によってその財産は確実に増大した。財産没収は死刑や追放刑を課された者に対して行われたが、没収財産は皇帝の手に入ったので、財産めあてに貴族や富裕者に対して刑を課すような皇帝が多かった。

(中略)

そして彼らの人目を惹く贅沢は、多くローマ市でいわばn衆人環視の中で行われたのである。皇帝の濫費と贅沢は、元老院議員など金持ちの悪しき規範となり、一般庶民の妬みと怒りで増幅し、絶望の淵に陥れたのであった。

このようなローマに住む人の間での貧富の差が、街路上で一目でわかるものがあった。それは通行人の従えている奴隷の数であった。

(中略)

実際には二人では社会的信用をうるには程多かった。少なくとも八人の奴隷をもっている弁護士でなければ、ひとは安心して訴訟を頼まなかった、という。

(中略)

これらの水準をはるかに上回る規模の大奴隷所有者が皇帝だった。アテナイオスという名の二世紀の文人は、二万人の奴隷所有に言及しているが、これは皇帝所有の奴隷であったろう。ただし、皇帝奴隷といっても全部が皇帝の身辺、宮殿の中にいるわけではなく、租税徴収業務や請負業務の監督、皇帝領、鉱山、石切場等の管理のような行政業務にたずさわるために、帝国各地に派遣されている役人めいた奴隷も大ぜいいたが、それにしても、パラティーヌスの丘の宮殿にいる奴隷だけでも非常な数にのぼった。そのことは、宮殿奴隷の職種の想像を絶する細分化(分業)およそばかげた華美と奢侈とから逆推される。(p.118-121)

 

そして宮廷には無駄な贅沢と華美、空虚な快楽と倒錯した欲望、病的なまでに繊細な嗜好と趣味が集中し、ローマには全世界からあらゆる珍味が集まったが、勝手きままで節度がないことこの上なかった彼らの胃はそれを受け入れることができなくなり、ローマ人は「食べるために吐き、吐くために食べる」のだった。

独自の小世界として地中海を支配した古代ローマのあり様は、まるで現在の中国を見ているようであるが、中国が中華思想により中華民族以外を蛮族と考えて他国への侵略を正当化しているように、古代ローマもまた、その巨大な帝国を維持するためには外部の「蛮人」(奴隷)世界が不可欠だった。

つまり、古代ローマにも中華思想でいうところの「中心」と「周辺」という「華」と「夷」が存在したのだが、そのローマ帝国が衰退するきっかけとなったのが、この「中心」と「周辺」の逆転が起こったことだった。

 

 ローマ帝国の衰退とは、ローマによって現実的な歴史的世界たらしめられた「地中海世界」が、世界史の舞台での「中心」(大中心)の一から降り、「周辺」たる「蛮族」世界(今やこれを第三世界と比喩的に言っても理解されるであろう)が中心の中に入り込み、拡がり、やがて新たな「中心」がかつての「周辺」の中に生まれ、かつての中心が周辺となる、という世界的な過程なのである。

 周辺からの徹底的な収奪の上に経済的繁栄を謳歌していささかの疑いももたなかった者は、この世界史的な過程を受け容れるころができない者にとってはローマ帝国はローマ市の陥落や四七六年と共に、滅亡したものとなる。後者にとっては、ローマ帝国はローマの文明の中に生きつづけ、文明の再生のために新しい「中心」に期待を寄せる。(p.186)

 

「天命を受けた世界の中心」を自称し周辺国の財産を収奪し文化を破壊した中国は、ある種の繁栄を遂げ、「世界で最も危険な病原体」を研究する施設をもつことで最強の兵器を手に入れた。

しかしそのすべてが中国が衰退し滅亡する準備となっていた。

 

■引用・参考文献・資料

弓削達『ローマはなぜ滅んだか』講談社現代新書、1989年

 

 

 

 

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