2020
01.14

vol.10『税が悪魔になるとき』と綿密に計画されたぺてんとしての消費税

BOOKS

『そして安倍晋三は終わった』を書くにあたり、引用・参考にした文献・資料を紹介するコーナーのvol.10です。

vol.9までは以下からごらんください。

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vol.9

 

アベノミクスは日本の経済を衰退させた。

しかし衰退したのは「市場経済」であり、彼らが「経済」と呼んでいる、国民から吸い上げた税金や公共料金などを特別会計で「逆マネーロンダリング」し、湯水のごとく数千社ある天下りピンハネ子会社に流し込んで一部の人間だけにお金を回す「利権経済」は、国民が格差と貧困に陥って確固たるものになった。

アベノミクスが「成果」と吹聴していることは利権により天下り役人や同族が儲かったことを指すのであり、それは政府が国民から搾取と強奪をくり返した(ている)朝鮮や中国と同じである。

なぜ彼らは、「持っている者が持たざる者へ分け与える」という当たり前の考えにならないのか。

共通するのは「天命を受けた世界の中心」を自称して暴走する天命思想(中華思想)である。

中華思想の根底に流れる儒教による同族重視と被害妄想による「殺られる前に殺る」という姿勢が、持たざる者からも吸い上げたお金がすべてトップに流れ、その使い道をトップだけが決めるという、共産主義のような、あるいはカルト宗教のような集金システムを成り立たせている。

 

2019年10月、消費税がそれまでの8%から10%に引き上げられた。

日本で初めて「一般消費税」の導入を公約に掲げたのが、1978年12月に発足した大平正芳内閣である。

その後1987年2月に中曽根康弘首相が、前年の衆参同日選で「国民が反対し、党員も反対するような大型間接税をやる考えはない。この顔がうそをつく顔に見えますか」と宣言していたにも関わらず、首相になったとたんに消費税と同様の大型間接税である売上税の導入を柱とした関連法案を国会提出した。

世論の猛反発を招き、中曽根康弘が提出した法案は一度も審議されることなく廃案になったが、1987年11月に発足した竹下登内閣が1940年から続いた物品税を廃止して消費税の導入法案を1988年7月の臨時国会で提出し、税率3%が導入された。

同時に竹下登は消費税導入と同時に、法人税、所得税、相続税など総額2兆円を上回る程度の減税を提案し、この消費税を上げて法人税など大企業・富裕層向けの減税をするやり方が現在まで続いている。

 

消費税の導入の際、社会保障の財源充実が謳われ、消費税法でもその使途は社会保障の経費に充てると明記されている。

安倍晋三も「消費税増税による増収分はすべて社会保障の充実・安定化に向ける」とくり返してきたが、実際のところ、社会保障の充実には増収分の2割も回されていない。

政治家たちのぺてんから始まった消費税は、政治家の嘘により増税がくり返され、とりわけ低所得者を苦しめている。

そしてその消費増税が、さらに低所得者を増やす。

 

消費税を納める企業は、仕入税額控除により、年間の売上高に消費税率をかけた額から、寝漢の仕入高に消費税率をかけた額を差し引いて納税額を計算する。

差し引くことのできる仕入高の中には消費税が課税される経費(交通費、通信費、消耗品費、地代家賃、修繕費、機械・設備の購入代金、外注費など)が含まれる。

しかし人件費(会社が直接雇用している従業員の給料)には消費税がかからないため、控除対象にはならない。

人件費が大きい企業は消費税の納税額が大きくなるため、不況下においては経費を減らすために正社員の給与や正社員の数そのものを減らし、その分を外注や派遣労働で賄うことで消費税の納税額を減らそうとする。

正社員を減らし派遣や外注を増やすことは、企業が納める消費税を減らすことにつながるが、1997年に消費税が3%から5%に引き上げられた前後は、労働者派遣法が改悪されている時期とも重なる。

労働派遣法を改悪したのは「小泉・竹中改革」で、小泉純一郎は「構造改革」を謳ったが、それは政府と市場の在り方を改革したのではなく自分に都合のいい新たな利権をつくっただけだった。

そして派遣労働者が増えることで新たな利権を得たのは、「小泉・竹中改革」の片割れで人材派遣会社パソナの会長・竹中平蔵だった。

 

利権市場は格差と貧困を生み、消費税は未来を担う若者を貧困に陥らせる。

それはたまたまそうなったのではなく、若者の努力不足でもなく、日本政府によって綿密に計画されたぺてんの結果である。

 

■引用・参考文献・資料
斎藤貴男・湖東京至『税が悪魔になるとき』新日本出版社、2012年

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