04.16

『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』と世界を共産主義化するための日常的な宣伝と扇動
世界的なコロナパンデミックは、共産主義者たちによる敗戦革命のための準備である。
1919年のソ連で、全世界を社会主義にするためにレーニンが設立した「コミンテルン」は「世界共産党」ともいわれ、国境を越えて共産主義運動を展開した。
そして、各国共産党はコミンテルン支部の性格ももっていた。
当時、ソビエトロシア共産党(ボルシェビキ)は政権を取ったばかりだが、中国に対してすでに野心を抱いていた。1920年、ロシアは、シベリアに第三コミンテルン極東書記局を設立、中国などの共産党設立を担当し、管理していた。主管はSumiltsky(スミルツキー)、副主管はVoitinsky(ボイチンスキー)であり、陳独秀(ちんどくしゅう)らと一緒に、中国共産党の設立準備を開始した。1921年6月彼らが第三コミンテルン極東書記局に提出した中国支部の設立計画書は、中国共産党が第三コミンテルンの一支部である事を明記した。1921年7月23日、Nikolsky(ニコルスキー) と Maring(マーリン)の監督の下、中国共産党が正式に成立した。
その日から、共産主義運動は中国に試験的に導入され、党の生命がすべてを超越し、すべてを征服し、中国に限りない災難をもたらした。(「【第二評】中国共産党はどのようになり上がったのか」)
コミンテルンは、ソ連崩壊とともに解体されたことになっているが、コミンテルンはいまだに生きている。
中国共産党はコミンテルンそのもので、日本共産党のみならず、工作員を使って政権にもありつき、内外から日本の解体を目論んでいる。
コロナパンデミックの原因は初期段階での中国共産党の情報隠ぺいにあるとして、アメリカなどが法的措置を取りはじめたが、中国共産党は、2019年12月30日の段階で、「市場で7人のSARS(重症急性呼吸器症候群)感染が確認された」などの情報をSNS上のグループチャットに発信した医師を処分していた。
また、中国共産党は中国共産党中央宣伝部という、中国共産党の思想や路線の宣伝・教育・啓蒙を担当するプロパガンダ機関をもっており、国内の新聞・出版物・テレビ・映画・インターネットなどすべてのメディアの監視を行っているという。
この言論の自由を認めない「全体主義」こそが、コミンテルンの本質だと、『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』ではいっている。
この「民族・植民地問題についてのテーゼ」に加えて、一九二〇年八月四日、「共産主義インターナショナル(コミンテルン)規約」が制定されている。
コミンテルンとはどういう目的で設立されたもので、その運営方針はどのようなものなのか、具体的に記したものだ。
その第一条(抜粋)は、こうだ。
≪第一条 新たな国際労働者協会は、資本主義を打倒し、階級の完全な廃止と共産主義社会の第一弾たる社会主義の実現とのために、プロレタリアートの執権と国際ソヴィエト共和国とを樹立するという単一の目的を追求するさまざまな国々のプロレタリアの共同行動を組織するために設立される。……≫(『コミンテルン史』付録資料より引用)
条文の最初に出て来る「新たな国際労働者協会」というのがコミンテルンのことだ。この第一条でいっているのは、「資本主義を打倒し、ブルジョワジーを殺して共産主義革命を起こすためにわれわれは行動する、そのためにコミンテルンを創立する」ということだ。
そしてその共産主義革命を起こすにあたっては、コミンテルンの指揮下に入らなければならない。
≪第九条 執行委員会は、(中略)……共産主義インタナショナルに所属するすべての党と組織にたいし、全体を拘束する指針をあたえる。共産主義インタナショナル執行委員会は、加盟諸党にたいして、国際的規律に違反したグループや個人を排除することを要求する権利、また世界大会の諸決定に違反した党を共産主義インタナショナルから排除する権利をもつ。……≫(同)
コミンテルンに加盟している世界各国の共産党は、すべてコミンテルンの執行委員会の指示に従わなければならないことがよくわかる。もし従わなければ、排除される。「排除」とは場合によっては「粛清」、つまり殺されることを意味した。
この規約に基づいて、コミンテルンに加入した場合、何をしなければならないのか、具体的に示した「テーゼ」が次のようなものだ。
≪共産主義インタナショナルへの加入条件についてのテーゼ、一九二〇年八月六日、第二回大会で採択(抜粋)≫
第一条 日常の宣伝と扇動は、真に共産主義的な性格をもち、第三インタナショナルの綱領およびすべての決定に合致していなければならない。……
定期不定期の出版物とすべての党出版所は、……完全に党中央委員会に従属させられなければならない。出版所がその自治を悪用して、党の政策に十分合致しない政策を実行することは、許されない。……(傍点は原文のまま。以下同じ)≫(同)(※引用者註:傍点を太字にかえて引用しています)
「日常の宣伝と扇動」、つまり宣伝戦こそが、地道な組織拡大、党員を拡大することよりも重要だという姿勢が、この第一条からよくわかる。
コミンテルンによる工作活動には、機密情報を盗むことなど、情報収集も含まれている。しかし、それよりもまず宣伝戦、情報収取より情報発信のほうが大事なのだ。
出版物はすべて党の管理下に置かなければならないということは、言論の自由を認めないということだ。共産党の影響を受けた政党や左翼メディアが自分たちと意見が違う言論の自由を認めずに弾圧するのはここから来ている。
第一条には普通、最も重要なことが書かれる。つまり、宣伝戦と言論弾圧こそがコミンテルン加入にあたって最重要なものなのだ。組織建設と党員拡大を重視する普通の政党とはまったく異なる政治集団であることが、この一事からもよく理解できよう。(p.70-73)
「自分たちと意見が違う言論の自由を認めずに弾圧し、自分たちに従わない人間は排除する」、これこそが共産主義者がもっとも重要視している主張である。
共産主義者を見分けるのにたいへんわかりやすい主張であるが、しかしこれは、おもに安倍晋三を取り巻くネトウヨ(ネット右翼)の性質でもある。
政府と違う見解を示す人を論点をすり替えて攻撃するのは、同書にもある「真摯に貧困問題に取り組もうとうとしたゆえに社会主義に惹かれていった若者に、理論的に反論するのではなく『取り締まり』と『弾圧」で臨んだ『右翼全体主義』」そのものだ。
大事なのは、呼び方や所属よりも、思想の現れとしての言動とその論理性であり、わたしたちひとりひとりがこの視点をもって人を判断しないと、しらないあいだに共産主義者に利することをし、日本の中国化を自らの手で進めてしまう。
同書で取りあげられているコミンテルンの行動規約は、かんたんに書くと以下の通りである。
第一条 日常の宣伝と扇動
第二条 自分たちの党に従わない人間は排除する
第三条 国際共産主義運動を行う上で「非合法活動」をも活動の前提とする
第四条 軍の内部に潜り込み、軍を乗っ取る
第六条 愛国心は絶対に認めない
第七条 言論弾圧の宣言
第九条 内部穿孔工作
第一二条 党中央部が全権を握る
第一三条 異質分子の定期的粛清
第一四条 国家を超えた共産党同士の協力
第二一条 コミンテルンに従わない者の排除、粛清、殺戮
また、「過去との断絶を強いる」というのも共産主義者の特徴のひとつである。
それは、明治維新以来、日本社会は事実上「一般庶民」と「エリート」のふたつに分断されており、「親が教える価値観や伝統や文化を受け継がないことがエリートの条件になってしまった」からであるという。
そして徹底的に共産主義に従わせ、それ以外の価値観を認めず、すこしでも違う価値観を混ぜればすわ排除・粛清の対象という「世界共産党」たるコミンテルンの思考回路は、中国を「天命を受けた世界の中心」としほかの民族を動物に等しい蛮族と考える中華思想と、とてもよく似ている。
天命を信じることはまちがいではない。
人にはかならず、どうしてもその人でなければならないなにかがあるはずだし、人生におけるすべての経験は、自分の天命を見つけるための解くべきパズルのようなものだと思う。
あってはならないのは、自身が天命を受けた特別な存在であるかのように自称し、他人に自身をそう扱うことを強要することである。
そのセンスのなさがいかにも中国共産党的であるが、つまりは「日常的な宣伝と扇動」を熱心に行う共産主義者の証である。
正義という名の自己中心的な弾圧と粛清をくり返す共産主義と中華思想が、世界に争いの火種を撒きちらす源なのである。
■参考図書
江崎道朗『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』PHP研究所、2017年
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。