08.13

風説の流布とインサイダー取引と有名ワイン5
現在、ボルドーワイン「5大シャトー」のうち、2つがロスチャイルド家の所有です。
そのうち、シャトー・ムートン・ロートシルトは、1853年、ネイサン・ロスチャイルドの三男ナサニエルが購入したものです。
シャトー・ラフィット・ロートシルトは、1868年、マイヤー・ロスチャイルドの五男ジェームスが購入したものです。
1855年の格付けでは、ラフィットが1級、ムートンが2級を得ました。
この「ロスチャイルド家」はユダヤ人です。
ユダヤ人の定義は難しいものがありますが、イスラエル民族としての用法以外には、主として、ユダヤ教を信じる人たち、またはユダヤ人を親にもつ者によって構成される宗教的民族集団のことを指します。
ユダヤ教は、キリスト教の救世主イエス・キリストを救世主だと認めていません。
それゆえ、とくにヨーロッパのキリスト教社会で、ユダヤ人は多くの中傷や迫害を受けてきました。
11世紀頃までは保護されていたようですが、中世後半期には、土地の所有が禁止されました。
商工業者の同業者組合・ギルドからも締めだされ、公職追放などによりしだいに活動は制限されるようになっていきました。
農業や手工業に従事することが困難になったユダヤ人は、質屋、両替商、黄金の管理人、古物商、行商や市場での無店舗販売、芸能などで生計を立てていました。
このユダヤ人が、歴史上最初に市民権を得たのが「フランス革命」以降です。
「フランス人権宣言」と呼ばれる「人間と市民の権利の宣言」で、ユダヤ人は、長く所有できなかった土地を所有することができるようになりました。
ナポレオンの失脚とともに、居住・結婚の自由などが再び制限されていったといいますが、ユダヤ人が土地を所有できるようになった意味は大きかったと考えます。
なぜなら、それまでキリスト教会の修道院が所有していたぶどう畑を、ユダヤ人であるロスチャイルド家が所有することになったのです。
勝手に格付けをして、最高峰ワインの造り手としてロスチャイルドの名を世界に知らしめたのです。
フランス革命のスローガンである「自由・平等・友愛」は、聞こえはいいですが、権力を与えるとユダヤ人は権力者を同族でかため、血筋の者以外は排除されることになります。
それは自由でも平等でもないことです。
もちろん迫害や差別はほめられたことではありませんが、ユダヤ人を危険視してきたのにもそれなりに理由があったのです。
ナポレオンはそこを覆したわけですが、重要なのは、それが正義感からもたらされた結果ではなく、敵国だったイギリスに寝返った結果だということです。
ボルドーの格付けが始まった1855年のパリ万博では、商品を展示し、それを見物するという行動が博覧会によって生みだされました。
それにより、百貨店や、ウィンドウショッピングという「消費行動」が生まれました。
「買い物」によって幸せになるという「夢」が発明されたのが、万博なのです。
しかし、その夢は、決して人の心を満たすことはありません。
なぜなら、人の心をほんとうに満たすことができることはべつにあるからです。
ワインやお買い物は、その、人の心を本当に満たすことができるものから目をそらさせるために意図的に設けられたまぼろしだからです。
格付けされたワインに夢を見ても、やがて現実に気づきます。
数百万、数千万のワインを味わうことができるのは、限られたごく一部の人間たちだけです。
ユダヤ人の復讐の対価としてのワインで庶民が身を滅ぼしても、悪魔がせせら笑って終わるだけです。
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