2020
05.18

『日本人としてこれだけは知っておきたいこと』と、日本の共産化を指摘しない共産主義の下僕たち

BOOKS


世界の共産党はコミンテルンの対外工作によって創設されたが、共産主義者たちは資本家や資本主義国同士を争わせてその資本力を弱らせ、それに乗じて共産主義思想を広める「敗戦革命」を世界中で遂行している。

日本でも敗戦直後、GHQが日本を窮乏化に追い込もうとする政策をつぎつぎと打ち出したが、その背景にはコミンテルンの工作員の暗躍があった。

資本力が弱ると人は社会主義・共産主義を望むようになるが、中国共産党の情報隠ぺいから始まったまるで戦争のようなコロナパンデミックは、世界中に長期的な企業活動の停止をもたらし、経済は大きな犠牲を強いられている。

「コロナ恐慌」は、リーマンショックや東日本大震災を大きく上回る規模になるともいわれているが、中国共産党情報隠ぺいによるコロナパンデミックの目的は、日本を含む資本主義国の弱体化である。

 

日本で社会主義思想が広まったのが戦後であるが、敗戦以降、日本はその自画像を歪められた。

その原因は、敗戦そのものではなく欺瞞にある。

「敗戦」を「終戦」と言い換え、日本軍を「自衛隊」と言い換え、歩兵を「普通科」と言い換え、戦車を「特車」と言い換え、駆逐艦を「護衛艦」と言い換えて、真実や根本的な問題から目をそらそうとする「その場しのぎ」の精神が、問題の直視を避けて「嘘の上に嘘を上塗りする」という傾向を現在まで延々とくり返されることになったと、『日本人としてこれだけは知っておきたいこと』はいっている。

 

 やがて日本人は「嘘の自家中毒」に陥ります。いつの間にか「嘘を真と思い込む病気」に冒されてゆくのです。

その最たるものが、「憲法九条があったから日本は平和を維持できた」という戦後神話でした。これは、敗戦から約三〇年経った――つまり次の世代に移った――ころから、盛んに口にされるようになります。西暦でいえば、一九七〇年代。高度経済成長後のことでした。

これは、二一世紀の現在からみれば、明らかに倒錯した言説です。

第一に、日本国憲法九条のような条文をもっている国は、日本以外、世界のどこにもなかったにもかかわらず、第二次世界大戦後は世界全体が――局地的な戦争はあったものの――まがりなりにも世界大戦を回避し、ともかく平和を維持してきたという事実があります。つまり「平和憲法」と戦後の平和とは何の関係もなく、世界中の大部分の国は日本同様、平和を維持してきたのです。日本とはまったく違う憲法を持った国も、大半の国が六〇年の平和を享受しえたわけです。この一点をもってしても、「九条」と「平和」に因果関係を見い出そうとする言説が、実は本来、無関係なものを、特殊な宣伝をする目的――中国、ソ連などがアメリカに圧迫されて不利にならないようにという、社会主義支持の目的――から、こじつけて並べただけの、いわば詐欺的言辞だったということが、はっきりします。

(中略)かりに平和を日本の話に限定したとしても、好むと好まざるとにかかわらず、日米安保こそが戦後の日本の平和をささえた、という事実に目を背けてはなりません。日米安保がなかったら、「平和憲法」があろうとなかろうと、戦後日本はもっと早い時期にソ連の侵略を受けたか、あるいは、いわゆる間接侵略を受け、国内に社会主義革命、暴力革命が起こっていたことでしょう。これは、「六〇年安保」騒動を見れば明らかです。あれが「安保騒動」といわれる程度ですんだのは、警察力の背後に自衛隊があり、その背後には米軍がいるということが、当時の日本の革命勢力、あるいはその背後にいた中国・ソ連にはわかっていたからです。(p.41-43)

 

日本の戦後の平和と憲法9条のあいだには、なんの因果関係もない。

その単純でもっとも根本的な事実を伝えずに、憲法を変えるという大事なことを、国民ではなく国会議員が率先して言いだしているのがいまの日本であるが、その主従のあべこべを許す欺瞞は、高度経済成長によってさらに後押しされた。

経済復興を遂げ、オイルショックを乗り切り、バブル景気に浮かれる独特の高揚感が、戦後の選択がすべて正しかったと思う勘違いを引き起こし、嘘から始まった戦後を全肯定することになってしまった。

なんの因果関係もないもっともらしく聞こえる嘘は、「憲法9条が戦後の日本の平和を守った」のほかには、「占領軍による戦後の民主化が高度経済成長をもたらした」や、「国際化」がそれで、高度経済成長の要因は民主化ではなく日本企業の技術力と経営力であるし、「国際化」論は、つまりは「日本的なものに固執せず、日本というものを可能なかぎりなくしていくこと」であり、「日本の伝統をなくする」ことの言い換えである。

 

そしてこれら「戦後の嘘」は、共通してその根本が社会主義思想である。

戦後最大の嘘は「社会主義の嘘」であり、その嘘が戦後日本の出発点であるが、それは、戦後日本を形成した最大勢力GHQこそが社会主義思想の温床であるからであり、そのGHQの背後でコミンテルンの工作員が暗躍していたのである。

 

日本を社会主義に誘導したのは国外のGHQだけではなかった。

社会主義思想をもつ国内の言論界、政界、学会の中心人物たちもその誘導を担ったが、大東亜戦争時代の弾圧による挫折を経て、「戦後日本の民主的リーダー」として復活した彼らを、GHQの左派が引き上げて重用した。

 

 彼らにとって「敗戦」とは、社会主義の理想を追求する絶好の機会でした。つまり日本の敗戦とは彼らにとっては取りも直さず、「解放」あるいは「勝利の到来」だったのです。ですから、彼らは学会とマスコミに狙いをつけて、そこを徹底的に抑えていくことになります。

GHQ、左派言論人と並んで、もう一つ戦後日本を牛耳った勢力が、霞が関の官僚でした。彼らもまた、社会主義的理念の体現者だったのです。

どういうことでしょうか。日本共産党は戦前の非合法組織時代に一度「消滅した」といわれていますが、最近では「内閣嘱託」として近衛内閣を牛耳ったソ連のスパイ尾崎秀実のように、日本共産党には属さずソ連共産党に属して日本社会の要所要所に潜り込み活動していた「隠れ共産主義者」が多数いたことが、明らかになってきています。なかでも、昭和一〇年代の「近衛新体制」を支えた「革新官僚」の中に、コミンテルンと関りを持つ官僚が少なからず存在したといわれています。彼らは、「新体制運動」を利用して日本の社会主義化を図ろうとしたわけです。このあたりのことはまた後で触れますが、こういった社会主義的理念を有した「革新官僚」たちは、占領軍によって追放もされず、むしろ戦後「大ブレーク」したわけです。

かくして、ここに戦後日本を動かした三大勢力(GHQ、左派マスコミ・知識人、霞が関官僚)が揃いわけですが、いずれも明らかに社会主義的理念に基づいて、左縁後日本を形作ろうとしました。これが、昭和二〇~三〇年代、社会主義理念があれほどまで日本人の心に浸透していった最大の理由でしょう。(p.56-58)

 

そして、戦後の日本で行われてきたことが、現在の日本でまったく行われなくなったということはあり得るだろうか。

日本は特別だ、と根拠なく決めつけてそれ以上考えようとしない、または問題の根本を追究しようとしないのは、怠惰でなければ、それはすっかり社会主義化されてしまっていることを示している。

共産主義国の日本に対する有害活動については、警察白書でも「北朝鮮、中国及びロシアは、様々な形で対日有害活動を行っており、警察では、平素からその動向を注視し、情報収集・分析等を行っている」と述べており、とりわけ中国の動向については「政財官学等の関係者に対して積極的に働き掛けを行っているものとみられる」と明言している。

 

中国は、諸外国において活発に情報収集活動を行っており、我が国においても、先端技術保有企業、防衛関連企業、研究機関等に研究者、技術者、留学生等を派遣するなどして、巧妙かつ多様な手段で各種情報収集活動を行っているほか、政財官学等の関係者に対して積極的に働き掛けを行っているものとみられる。警察では、我が国の国益が損なわれることのないよう、平素からその動向を注視し、情報収集・分析等に努めるとともに、違法行為に対して厳正な取締りを行うこととしている。(令和元年版 警察白書 第6章 公安の維持 第1節 外事情勢と諸対策 第1項 対日有害活動の動向と対策 (2)中国の動向 ③我が国における諸工作等より)

 

この社会主義の嘘から始まった戦後日本の欺瞞は、戦前を全否定する「歴史観」や、その反動で戦後を全肯定するような「戦争神話」を生んだ。

日本人から歴史認識を剥奪し、知性や精神性に致命的なダメージを与えることになった。

決して失ってはならない誇りや精神性を全否定される社会は、人生とはなにか、なんのために生きるのかをわからなくさせ、自身の運命から目をそらし、自身の運命を直視せずに困難から逃げる若者を大量に生み出した。

その受け皿となり拡大した筆頭がオウム真理教であったが、誇りを失い、人生に根を張って生きることができない迷える子羊たちを、耳障りのいいことばで引き寄せ、その実「革命」の駒として使い捨てる団体は、オウム真理教だけではない。

アメリカのように政府が中国共産党との関りを断とうとしない日本では、共産主義的理念で活動する人や団体を、まずは個々が見抜いて排除していくことが、これからの日本のためにも必要である。

 

■参考図書

中西輝政『日本人としてこれだけは知っておきたいこと』PHP研究所、2006年

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